建築設計論T・同演習 
注:本課題は大学の授業の一環として実際の敷地を想定して出題しており、
ここで提案されている案は全てフィクションです。
Museum of Contemporary Tokyo
Ginza,Chuo,Tokyo -断面から建築を考える-

課題内容

 現在、日本への観光客は世界で30位で、1位のフランスの年間8000万人のわずか1/10。アジアでも7位で、シンガポールよりも少ない数に甘んじている。しかし、日本文化は海外で根強い人気があり、アニメやマンガ・ゲームなど新しい日本文化への興味も増加しており、観光立国としての素地は固まりつつある。
 交通機関などの外国語表記やアナウンスは、ここ数年でかなり整備されてきたが、その一方でインフォメーションセンターや観光拠点などの整備はかなり遅れていると言わざるをえない。
 こういった背景を受けて、日本を代表する街である銀座を敷地に、現代の東京とその歴史文化を発信する博物館「Museum of Contemporary Tokyo」(以下、MoCoT)を計画する課題である。
 MoCoTには、東京の全体模型や歴史などの紹介だけでなく、アニメ・マンガを始め、日本のアート、映画、ファッション、文学、建築、デザイン、音楽、演劇、パフォーマンス、ゲーム、インターネットなど新しい日本文化を紹介する機能が盛り込まれる他、ツーリストインフォメーション機能や観光サポート機能など、最新の情報と場所の提供が行われる。

 計画にあたり、以下の3つの連続性を意識してほしい
1:ランドスケープと建築の両方をデザインすることによる周辺環境との連続性。都市コンテクスト(文脈)を読み込み、銀座の都市アクティビティを理解する。
2:平面的・断面的な動線計画を熟慮し、配置された諸機能の連続性。施設全体が東京や日本への観光客にとって魅力的な施設であること。すなわち、エントランスホールやレストラン、さらには垂直動線もが展示や情報スペースであり、積極的な関係をもった提案を行って欲しい。
3:利用者と展示・情報空間の快適な接し方から、家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性。建築のカタチにプログラムをあてはめるのではなく、プログラムを考えることから建築を作りあげていくことを目標に、スケッチや図面を描いて案を練り上げ、新しい文化施設の在り方を提案する。

敷地    東京都中央区銀座
敷地面積 1,760u
設計条件 延床面積 10,000u前後
構造形式 S造、RC造、SRC造など
最高高さ 45m

必要諸室 以下の諸機能を基準とするが、新たな機能を加えた提案も可能である。
       A:エントランスホール・オープンスペース(観光情報サポートセンター・イベントスペースなど)
       B:ブックショップ&ミュージアムショップ(400u/六本木TSUTAYAのような文化情報発信型スペース)
       C:カフェ及びレストラン(低層階カフェ・上層階レストランなど)
       D:常設・企画展示(展示2500u/一時倉庫・休憩・トイレ、天井高さ必要)
       E:ワークショップ(300u/教育部門・インストラクター・平土間)
       F:シアター・シネマ(300u/講演・作品上映・映画など)
       G:ライブラリー(200u/関係図書・アーカイブ・デジタルスタジオ)
       H:オフィス(400u/事務室・館長室・会議室)
       I:研究室(200u/学芸員室・ボランティア室)
       J:収蔵(1000u程度/搬出入スペース・荷解きスペース・収蔵・補修)
       K:機械(10〜15%/空調・電気)
       L:その他(ロビー・ホワイエ・通路・休憩ラウンジ・階段・便所・EV・屋外イベントスペースなど)

S.Honma
Y.Masui
K.Fujieda
K.Uchida
H.Masuda
Y.Furumizu
S.Yaita
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