建築設計論1・同演習 
注:本課題は大学の授業の一環として実際の敷地を想定して出題しており、
ここで提案されている案は全てフィクションです。

Elementary School without a track,Mejiro
グラウンドのない小学校

課題内容

みなさんは、どんな小学校で6年間を過ごしたでしょうか?

学校建築は、この30年ほどの間に随分と様変わりしました。北側片廊下に教室が並ぶ従来型から、特定の教室を持たないオープンスクール型まで、様々な学校がつくられました。みなさんの中には、オープンスクール型の学校で育った人も少なくないのかもしれません。こうした学校建築の多様化は、教育や学校のあり方が模索され試されてきた結果です。そして、それは現在も継続しています。

学校を取り巻く社会環境も大きく変わっています。より地域に開放された学校が求められるようになり、生涯学習の場としての利用や、子育て支援のための設備が設けられるようになりました。学校は、社会から切り離された教育のためだけの空間ではなく、都市や地域の生活を豊かにする公共空間として活用され始めているのです。

学校は、教育のための場所である一方、多くの人間が過密に動き回る小都市であり、群れとしての子供達が生活する小さな社会だともいえます。どんな空間をつくれば、子供達が生き生きと学び、遊ぶ環境が生まれるでしょう?そして、どのようにすれば、社会や街との新しい関係が築けるでしょうか?既存の教育プログラムや学校建築の形式にとらわれる必要はありません。これまでにない、生き生きとした学校空間を提案してください。

学校単体の設計だけではなく、地域住民に開かれた昨日を複合させた都市型小学校(スクール)を設計する。
様々な世代にとっての「学びの場」を提案するにあたって、以下の3つの連続性を意識してほしい。
1:都市コンテクスト(文脈)を読み込み、ランドスケープと建築デザインを行うことによる周辺環境との連続性
2:子供達・教員・地域住民にとっての平面的・断面的な動線計画を熟慮し、配置された諸機能の連続性
3:建築計画にとどまらず、家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性

建築のカタチにプログラムをあてはめるのではなく、プログラムを考えることから建築を作りあげていくことを目標に、スケッチや図面を描いて案を練り上げ、新しい教育地域施設の在り方を提案してほしい。

敷地面積 8260u

設計条件 
 ・延床面積:4000u程度
 ・構造形式:S造、RC造、SRC造など
 ・必要諸室:下記を基準面積として提案を行うこと。(提案に応じて変更してよい)
     a.普通教室   : 768u
                     (64u教室×12室)
     b.音楽室    : 128u
                     (1室)
     c.理科室    : 128u
                     (1室)
     d.家庭科室   : 128u
                     (1室)
     e.図画工作室  : 128u
                     (1室)
     f.図書室    : 128u
                     (1室)
     g.校長室    : 64u
                     (1室)
     h.職員室    : 128u
                     (1室)
     i.保健室    : 128u
                     (1室)
     j.共用部    : 2400u
                     (WS・廊下・トイレなど)
     k.提案機能   : 自由

T.Kaneko
A.Kumagai
S.Yaita
K.Fujieda
S.Kano
Y.Sakurai
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