建築設計論T・同演習 
注:本課題は大学の授業の一環として実際の敷地を想定して出題しており、
ここで提案されている案は全てフィクションです。

Japan Creative Centre,Tokyo
日本国際文化交流拠点

課題内容

2008年10月に観光庁が発足し、特に海外からの観光客の増加を目指している。現在、日本への観光客は世界で30位で、1位のフランスの年間8000万人のわずか1/10。アジアでも7位で、シンガポールよりも少ない数に甘んじている。

しかし、日本の伝統的文化は海外で根強い人気があり、文化的に様々な影響を与えてきた。最近ではアニメやマンガ・ゲームなど新しい日本文化への興味も増加しており、観光立国としての素地は固まりつつあるといってよい。交通機関などの外国語表記やアナウンスメントはここ数年でかなり整備されてきたが、その一方でインフォメーションセンターや日本文化を発信する観光拠点などの整備はかなり遅れていると言わざるを得ない。

こういった時代背景を受けて、現代日本の新しい文化の中心地の一つである表参道に面する敷地に、現在の日本文化を発信する国際文化交流拠点「Japan Creative Centre Tokyo」(以下、JCC)を計画する課題である。

JCCには、アニメ・マンガを始め、日本のアート、映画、ファッション、文学、建築、デザイン、音楽、演劇、パフォーマンス、ゲーム、インターネットなど新しい日本文化を紹介する機能が盛り込まれる他、ツーリストインフォメーション機能や観光サポート機能など、最新の情報と場所の提供が行われる。

計画にあたり、以下の3つの連続性を意識してほしい。
1:都市コンテクスト(文脈)を読み込み、ランドスケープデザインと建築デザインを行うことによる周辺環境との連続性
2:平面的・断面的な動線計画を熟慮し、配置された諸機能の連続性
3:利用者と展示・情報空間との快適な接し方から、家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性

建築のカタチにプログラムをあてはめるのではなく、プログラムを考えることから建築を作りあげていくことを目標に、スケッチや図面を描いて案を練り上げ、新しい文化施設の在り方を提案してほしい。

敷地面積 1785u

設計条件 
 ・延床面積:4000u程度
 ・構造形式:S造、RC造、SRC造など
 ・必要諸室:下記を基準面積として提案を行うこと。(提案に応じて変更してよい)
     a.情報センター       : 300u
                     (六本木TSUTAYAや青山ブックセンターのような文化情報発信型本屋+カフェ)
     b.映像センター       : 200u
                     (DVD、CDその他+ブース+情報入出力・配信サービス)
     c.企画展示        : 400u
                     (企画展示+一時収蔵庫)
     d.ショップ          : 200u
                     (ミュージアムショップ)
     e.ホール           : 300u
                     (200人、AV機能を有する)
     f.サポートセンター     : 200u
                     (観光情報・サポート)
     g.ワークショップ      : 250u
                     (100u×1、50u×2、控室25u×2)
     h.管理部門         : 400u
                     (事務、館長室、会議、受入れ・整理、製本)
     i.研究室           : 100u
                     (25u×4)
     j.機械室           : 400u 
                     (空調+電気)
     k.その他          : ロビー・ホワイエ・通路・休憩ラウンジ・階段・便所・EV・屋外イベントスペースなど

T.Shibuya
M.Soneda
A.Hamada
K.Taguchi
E.Fujita
M.Ohide
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