課題概要
建築の設計において、public(公共)は欠かせない概念の一つである。社会生活を行う上において無意識で使用している施設全てに、public(公共)は存在している。この課題は、商業化が進む港区南青山の敷地を選び、公共とはなにかを考え理解してもらうことを目的としたものである。
表参道・青山通り・骨董通りに囲まれた地区は、高級住宅地であったが、近年ファッション系の旗艦店が路地裏に進出してくるようになり、家具などのインテリアショップ、Designショップなどが散在する、Fashion・Designゾーンへと変貌しつつある。最近、隈研吾設計の新しい根津美術館がオープンし、南青山はまた大きく変わりつつある。こういった東京らしい地域である南青山を対象として、そのコアとなる「小さなデザイン・インキュベーション・センター」を設計してほしい。
デザイン・インキュベーション・センターは、ファッションやグラフィックなどに関わるデザイナーたちを支援する施設である。インキュベーションとは孵卵器を意味する言葉であり、デザイナーの卵たちのSOHO(スモールオフィス・ホームオフィス)とデザインに関するブックショップ、ギャラリー、小さなホール、カフェなどによって構成されている。対象とするデザインについては、より専門的なジャンルへ絞っても良いし、デザイン関係者全般のコミュニティーセンターと捉えても良い。デザインに関するブックショップ+カフェを中心とし、デザインに関するギャラリーが併設し、各種ワークショップや講演などに使われる小ホール(100〜200人)との連携を考慮した、これからの南青山の核となる施設を考える。
五反田の東京デザインセンター、新宿のOZONEなどを参考に、このデザインインキュベーションセンターに相応しいプランはどんなものか?そして展示やイベントの意味とは何か?を考え、Public(公共)の本質に迫ってほしい。
敷地条件
東京都港区南青山
建築条件
構造自由・階数自由
建築規模
延床面積 1500u程度
施設内容
SOHO(100u程度×6戸)
デザインブックショップ・ギャラリー・小ホール・カフェなど
管理機能(事務室・従業員控室・収蔵庫・トイレ)
搬出入・荷さばき室(延床面積の7%以上)・機械室(延床面積の7%以上)
搬出入経路を考慮し、周辺環境も含めた提案を必ず行うこと
敷地には約1mの高低差があるが、考慮しなくても良い
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