建築設計論T・同演習 
注:本課題は大学の授業の一環として実際の敷地を想定して出題しており、
ここで提案されている案は全てフィクションです。
Cinematheque Tokyo

課題内容

東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅前に、映画図書館を中心とした文化施設「シネマテーク東京」を計画する課題である。近年、シネマコンプレックスの普及により、映画がまた日常的な娯楽へと戻りつつある。しかし、その反面ハリウッドに代表される商業的な映画が席巻し、芸術的な映画は未にシアター系と呼ばれる小劇場へとおいやられているのが現状である。

「シネマテーク」は古典や実験的映画を上映する小さな映画館を指す言葉であるが、ここではその語源通りに「映画+図書館」という意味の、映画や映像ファンの知的好奇心を充足させることを目的とした文化活動拠点と位置づけたい。

ここでは、映画や映像作品に関する従来の図書館サービスに加え、資料のデジタル化、関連施設とのネットワーク化を進め、音響・画像・映像情報までを包括的に扱い、常に最新の情報と場所の提供が行われる。このような映画・映像ファンの多様な文化的、創造的活動を支援するそのサービスおよびその建築を、「シネマテーク」と呼ぶものとする。

計画にあたり、以下の3つの連続性を意識してほしい。
1:都市コンテクスト(文脈)を読み込み、ランドスケープデザインを行うことによる周辺環境との連続性
2:平面的・断面的な動線計画を熟慮し配置された諸機能の連続性
3:利用者と収蔵資料との快適な接し方から端を発し、家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性

建築のカタチにプログラムをあてはめるのではなく、プログラムを考えることから建築を作りあげていくことを目標に、スケッチや図面を描いて案を練り上げ、新しい文化施設の在り方を提案してほしい。

敷地面積 2550u

設計条件 
 ・延床面積:4000u程度
 ・構造形式:S造、RC造、SRC造など
 ・必要諸室:下記を基準面積として提案を行うこと。(提案に応じて変更してよい)
     a.情報センター部門    : 1000u
                     (閲覧、開架書庫+閉架書庫、レファレンス、複写サービス、個室、共同研究室等)
     b.アーカイブ部門      : 300u
                     (資料:レコード、ビデオ、DVD、CD、MD、MOその他)
     c.情報処理センター   : 100u
                     (アーカイブ情報の入出力及び、配信サービス機能)
     d.ショップ          : 50u
     e.映像ホール        : 300u
                     (200〜300人、AV機能を有する)
     f. 映像室          : 150u (50u×3)
     g. ワークショップルーム : 300u
                     (120u×1、60u×2、アトリエ兼講師控え室30u×2)
     h.管理部門         : 400u
                     (事務、館長室、会議、受入れ・整理、製本)
     i. カフェ            : 150u
     j. 集会室          : 160u (40u×4)
     k.研究室          : 40u  (20u×2)
      l. 機械室          : 300u (空調+電気)
     m.その他           : 通路、休憩ラウンジ等、階段、便所、EV、屋外イベントスペース等

K.Masuda
R.Amano
Y.Namekawa
K.Otsuka
S.Saito
T.Watanabe
Y.Sasaki
<< 作品紹介へ