建築設計論T・同演習 
注:本課題は大学の授業の一環として実際の敷地を想定して出題しており、
ここで提案されている案は全てフィクションです。
Bunkyo Mediatheque
課題内容

東京メトロ丸ノ内線茗荷谷駅前に、図書館を中心とした複合文化施設「文京メディアテーク」を計画する課題である。
文京区は、近代教育発祥の地として多くの大学や教育機関が集積し、森鴎外、夏目漱石、樋口一葉など近代文学の礎を築いた文人を輩出するなど、都内でも文化資産に恵まれた地域である。敷地周辺は、近世の武家屋敷が明治以降軍事用途等を経て文教施設や公園に転用され、緑豊かで成熟した文教地区としての都市環境が保たれている。

「文京メディアテーク」を、従来の図書館という枠を超えて、利用者の知的好奇心を充足させることを目的とした文化活動拠点と位置づけたい。ここでは、従来の図書サービスに加え、資料のデジタル化、関連する大学図書館等とのネットワーク化を進め、文字情報(書籍)だけでなく、音響・画像・映像情報までを包括的に扱う、常に最新の情報と場所の提供が行われる。このような利用者の多様な文化的、創造的活動を支援するそのサービスおよびその建築を、「メディアテーク」と呼ぶものとする。
「文京メディアテーク」のライブラリー機能は、現小石川図書館から引き継がれる。小石川図書館は、1919(明治43)年の東京市立簡易図書館設置から続く長い歴史を持ち、CDをはじめ、レコード、楽譜等、音楽関係資料のコレクションは都内23区随一の規模を誇っている。「文京メディアテーク」は、そのコレクションを活かし、利用者の音楽活動支援を積極的に行う計画とする。

計画にあたり以下の3つの連続性を意識してほしい。第一は、都市コンテクスト(文脈)を読み込み、ランドスケープデザインを行うことによる周辺環境との連続性。第二は、平面的・断面的な動線計画を熟慮し配置された諸機能の連続性。そして第三に、利用者と収蔵資料との快適な接し方から端を発し、家具デザインから構造デザインに至る思考の連続性である。

敷地面積 2550u

設計条件 
 ・延床面積:4000u程度
 ・構造形式:S造、RC造、SRC造など
 ・必要諸室:下記を基準面積として提案を行うこと。(提案に応じて変更してよい)
     a.情報センター部門    : 1000u
                     (閲覧、開架書庫+閉架書庫、レファレンス、複写サービス、個室、共同研究室等)
     b.アーカイブ部門      : 300u
                     (資料:レコード、ビデオ、DVD、CD、MD、MOその他)
     c.情報処理センター   : 100u
                     (アーカイブ情報の入出力及び、配信サービス機能)
     d.ショップ          : 50u
     e.音楽ホール        : 300u
                     (200〜300人、AV機能を有する)
     f. 映像室          : 150u (50u×3)
     g. ワークショップルーム : 300u
                     (120u×1、60u×2、アトリエ兼講師控え室30u×2)
     h.管理部門         : 400u
                     (事務、館長室、会議、受入れ・整理、製本)
     i. かふぇ           : 150u
     j. 集会室          : 160u (40u×4)
     k.研究室          : 40u  (20u×2)
     l. 機械室          : 300u (空調+電気)
     m.その他           : 通路、休憩ラウンジ等、階段、便所、EV、屋外イベントスペース等
M.Sakuta
K.Mochizuki
T.Watanabe
R.Yamagata
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