建築デザインW・同演習 
注:本課題は大学の授業の一環として実際の敷地を想定して出題しております。
Present-day Church as Daikanyama Hillside Terrace Annex
代官山ヒルサイドテラス・アネックスとしての「現代の教会」

課題概要
 建築の設計において、public(公共)は欠かせない概念の一つである。社会生活を行う上において、無意識に使用している施設全てにpublic(公共)は存在している。この課題は、住宅と商業が入り交じった場所である代官山に敷地を選び、代官山ヒルサイドテラスのアネックスとして、「現代における教会」とはなにか?を考えることで、公共の意味を問うものである。

 一般的に「教会」とは、共通の信仰によって形成される人々の集まり、またはその宗教活動の拠点となる建物を指す言葉である。この「教会」は、建築や都市の歴史に密接に結びついている。ヨーロッパの多くの都市は、その中心に広場と教会を持ち、それらが精神的な支柱であると同時に、コミュニティー施設としても機能してきた。日本においても、神社(鎮守の森)や寺(境内)を街の「奥」として、コミュニティー活動の中心としてきた歴史がある。しかし、こういった都市と生活の関係性は、現代において失われつつある。各自治体によって、様々なコミュニティー施設が作られているが、その多くは貸しスペースの集合体でしかなく、かつての教会のような生活の中心となるものとは異なっている。
 一方で、多くの人たちが教会で結婚式をあげることをのぞみ、チャペル(礼拝堂・教会風結婚式場)がホテルなどに建設されている。

 以上のような現状をふまえた上で、槇文彦氏が35年の歳月をかけて作り出した代官山ヒルサイドテラスのアネックスとして、あなたが考える現代の教会とそれに付加する施設を提案し、現代社会における都市と生活の新しい関係を記述してほしい。

(補足)
この課題は、特定の宗教施設を設計することを目的としたものではないが、キリスト教その他の教会として捉えても構わない。教会には200人程度が集まれるスペースを確保した上で、そこに付加される公共的なプログラムには何が相応しいか?を考える。なお、付加するプログラムとして、大規模なカフェやレストラン、休憩スペース等は対象外とする。

敷地条件
  東京都渋谷区
建築条件
  構造自由・階数自由・地下可能(敷地には一部高低差があるが、無視してもよい)
建築規模
  延床面積 1500u程度
施設内容
  教会機能(200席程度)+提案機能(大規模なカフェ、レストラン、休憩スペースは不可)
  機械室(延床面積の7%)
  駐車スペースは設けなくとも良いが、メンテナンス、搬入などのサービス経路を考慮する
  教会・提案機能部分における管理、サービスのスペースを確保し、周辺環境も含めた提案を必ず行うこと。

R.Amano
Y.Yagi
N.Fujiwara
S.Saito
T.Watanabe
Y.Namekawa
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