建築デザインW・同演習 
注:本課題は大学の授業の一環として実際の敷地を想定して出題しております。
Shimokitazawa Urban Renovation
場を発見し、デザインする

課題概要
 私たちは都市の中で一人で生きているわけではない。様々な人に支えられ、支えあいながら生きている。建築もまた周辺環境との呼応のもとに建っている。同時に、私たちの生活は、都市環境に対して少なからず影響を与え続けている。都市から与えられる様々な情報によって、私たちの生活も建築も成立しているのだ。
 従って、建築を設計する行為には、ただ建築単体を考えるだけではなく、その建築が置かれる周辺環境を読み解き、それらに対する問題意識を持った上で提案を行っていくことが求められている。

 この課題は、周辺環境を知り、問題発見をし、その解決として建築的提案をする、いわば「都市との会話」を目的としたものである。ただ現象として都市を捉えるだけではなく、情報やアスファルトを剥がせば地形があり、道に至った経緯があり、人が集まる理由があることなどを考えて欲しいし、そうなる準備ができていた歴史にも気づいて欲しい。
 また、都市の中に埋没している魅力を再発見することも期待している。そのためには、今までとは違う評価軸を持って、都市を眺めなくてはならないだろう。「都市の記憶」を呼び覚ますようなアイデアもあるだろうし、都市の中に潜む「私性」に着目するアイデアもあるかもしれない。より新鮮な目で都市の魅力を見つけ出して欲しい。

 大がかりな都市改造を求めているわけではない、ほんの少しの変化を現状の都市に加えることで、私たちの都市体験を揺れ動かしたり、都市との会話を増幅させたりしてほしいのだ。自分で探し出した都市の「場」に、新たなアクティビティーを起こさせる、小さな魅力あふれる提案をし、その都市の「場」をデザインすることが求められている。
 下北沢駅周辺をサーベイし、その都市の「すきま」「余白」「境界」などの「場」を見つけ、その分析から問題意識を発見し、それらに対する解決策を建築や環境装置として提案する。それは小さな小さな建築かもしれないし、都市のインスタレーションのようなものであるかもしれない。再開発に揺れる下北沢の「場」を魅力的に変容させるアイデアを自由にプレゼンテーションして欲しい。

敷地条件
  下北沢駅周辺に各自場所を設定する
建築条件
  建築的、都市的提案であること
建築規模
  延床面積は特に規定しない
施設内容
  周辺環境との関わりに配慮した提案であること
  新しいアクティビティーを発生させる為に必要な機能を含むこと

S.Saiki
Y.Sasaki
H.Ito
N.Fujiwara
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