建築デザインW・同演習 
注:本課題は大学の授業の一環として実際の敷地を想定して出題しております。
  Connecting with Public and Private
          「公」と「私」をつなげるもの   
課題内容
 みんなはもう気がついているかもしれないが、建築を設計することは、その建物を使う人たちにとってどんな機能や空間が必要かを考えるばかりでなく、それが街の中につくられるとすれば、街の部分をつくるということでもある。だから、私的な領域だけでなく、意識を拡張して「外の領域=公的な領域」を考えることは、とても大切である。

 街を歩いていて、親しみやすく、生きていると感じられる場所があったり、一見整っていてきれいなのに無意味なほど静かで楽しくない場所、ごちゃごちゃと雑多でどんな街なのかも読み取れない場所があったりすることに気がつくことがあるだろう。もしも、それぞれの建築が私的な領域にとどまらず、少しずつ、公に対して何か働きかけがあったなら、公共の空間はその少しずつの働きかけが集まり、大きく変わるはずである。

 例えば、どの建物の玄関先に同じ花を植える、テントを設けるといった小さな仕掛けでも、それが集合したとき、そこに生まれる公共の空間は、明確な性格をもった街になるに違いない。普段は静かな神社の参道が、お祭りの露天が建ち並ぶだけで、がらっと雰囲気が変わるのを見た経験が、誰しも有るだろう。小さな仕掛けは、集まると大きな効果につながっていくである。この課題では、こうした「公と私
をつなげる」小規模な建築的環境装置を考えてほしい。

 アイデア次第で、熱くなるのか、冷まされるのか、醒まされるのか、和ませるのか、目覚めさせるのか、その場所は変容するはずである。そこには同調、対峙、寄生、同化といったいくつかの方向性を見いだすことができるだろう。渋谷、原宿、表参道周辺をサーベイし、敷地を選び、小さな建築的環境装置を設計することで、私的領域と公的領域をつなげることが、どのように「場」を変容させるかをプレゼンテーションしてほしい。

敷地条件
 ・渋谷・原宿・表参道周辺に各自場所を設定する。

建築条件
 
 ・建築的環境装置であること。構造自由。

建築規模 
 ・延床面積は特に規定しないが、大きなものである必要はない

施設内容 
 ・公と私をつなぐ為に必要な機能を備えていること。
 ・周辺環境との関わりに配慮した提案であること。
H.Imura
Y.Mizuno
T.Sakata
T.Sakakura
K.Nobezawa
H.Suzuki
Y.Kiya
Y.Hanaoka
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