建築設計V 
注:本課題は大学の授業の一環として実際の敷地を想定して出題しております。
Guggenheim Aoyama
都心に建つ多層建築としての現代美術館
課題内容
 「ギャラリー」=観客席、回廊という意味が示すように美術館とは、陳列品を見せるためのスペースを意味していた。19世紀以後、
ときには国家の、ある時は個人の権威の象徴として、ギャラリーは美術館というビルディングタイプに変身した。一方、20世紀後半か
ら、急速に肥大化した都市の問題を背景に芸術はそれまでの絵画、彫刻といった殻をやぶり様々な実験をはじめた。それは、現代ア
ートが社会の変化そのものをコンテクストとして成長してきたということでもある。言い換えると現代アートとは、様々な「場」の可能性
を自ら探す芸術なのだと言ってよい。
 今回の課題は、世界にネットワークを広げようとしているグッゲンハイム美術館の東京ブランチを核に、現代アートの拠点となる複合
施設の提案をもとめるものである。課題のポイントは2つある。1つは現代アートをサポートする空間とは何かということであり、都市を
自らフィールドワークすることや、人間の身体や行為の原点を考えてみることにヒントがあるかもしれない。もう1つは、この場所のコン
テクストをどう捉えるかということであり、人の流れや周辺環境を観察することや、「モール」や「コート」といったアーバンデザインの基
本コードを調べてみることにヒントがあるかもしれない。今、東京の土地は、投機という概念によっていきづまり、公共性という概念が再
び問い直されている。人々が集まり、憧れの的となるような空間の再生を期待している。

 ・敷地     
東京都港区北青山3-11(営団地下鉄表参道駅徒歩1分、紀伊国屋International横)
 ・敷地面積  
1610u
 ・用途地域  
商業地域(路線30m) 第1種住居地域 第3種高度地区
 ・容積率    
商業地域700%/第1種住居地域300%
 ・建蔽率    
商業地域100%(防火・対火)/第1種住居地域60%+10%(角地)+10%(防火・耐火)
 ・接道条件  
南東側40m、北東側3.5m、北西側4.4m(但し、北東側は6mに拡幅する)
 ・設計条件  延床面積 :6000u前後
          
構造形式 :自由(木造・鉄骨造・RC造・混構造)
             必要諸室 :多層型の現代美術館のプログラムを想定する。
                    展示室面積1500〜2500u確保(常設・企画)
                    ワークショップ・小ホール・ショップなども検討。
                    収蔵庫面積600〜1000u確保
                     機械室面積10〜15%確保
                     以上を目安にして、必要諸室と面積配分を決定。
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